現場のリアル

転用申請と同時に行う手続き ~相続にかかる⼟地届(農地法第三条届出)について~

農地転用許可の申請と同時に進める手続きや、申請の受理後、許可までの間に進める手続きは、申請時期が転用許可申請と同時に行うことが必要なため、これらの手続きが終わらない限り農地転用の許可が下りない、というケースもあるということです。
同時進行だから後回しでも大丈夫、とは考えず、進められる手続きからどんどん進めてきましょう。

土地の全部事項証明書に記載の地権者がお亡くなりになり、これまでにこの土地届を提出していなかった場合には、農地転用許可申請と同時にこの届出を提出することになります。

この土地届はそこまで複雑な届出ではないのですが、問題となるのはその添付書類。原則として、相続人全員の署名・捺印のある「遺産分割協議書の写し」を要求されます。
つまり言い方を変えれば、この土地届を出すために相続手続きを完了させておく必要があるのです。

「父親の土地で、自分しか相続人がいないから…」という理由であっても、原則としてこの土地届を出さないことには農地転用許可申請も受理してもらえませんので、注意してください。

「原則としては受理してもらえない」ということは、例外的に受理されることがあるのか?
とご質問されそうですが、実際にあった事例で言うと、私がお手伝いした案件で、土地届を提出する前に受理されたケースがありました。

これは、農地転用許可申請書類にご捺印いただいたあと、申請までの短期間に地権者の方がお亡くなりになってしまったケースで、農業委員会事務局の担当者と何度も協議を重ね、最終的には相続人全員からの同意を得ることで受理、となりました。

この時には、まず被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍を収集して法定相続人を確定し、その法定相続人全員の現在の戸籍も集め、担当者へ説明するために「相続関係説明図」を作成しました。

また、全ての相続人が申請について同意していることを示すため、申請書類へ相続人全員の実印での捺印もいただくことになりました。

相続は時間がかかるものですが、この土地届以外の方法で転用許可申請を受理してもらうのもなかなかの時間と労力がかかります。 例外を期待せず、計画的に届出を行うことがたいへん重要です。

 

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