現場のリアル

ソーラーシェアリング許可後に注意が必要なこと

さて、普通の方は「ソーラーシェアリングの許可が下りれば、あとは自由に工事や事業が開始できる」と思われるでしょう。しかしそうではないのです。なぜならば、「許可証の発行=工事開始の合図ではない」からです。

シェアリングの許可が下り、許可証を取得して無事に工事着手…と行きたいところですが、実はそうもいかないことがあります。

確かに農地法上の許可は取得できたとしても、工事を開始するには景観法や都市計画法にかかる開発行為の届出や許可、消防法に係る発電設備の設置届など、その造成・工事目的に関係する全ての許認可が必要です。
せっかくシェアリングの許可が出ても、他法令で規制の対象となっているものがあれば、例えば「造成まではできても設備の設置が出来ない」「切土・盛土は問題ないけれど、そもそも伐採届を出していなかったから、木が切れない」という事態になります。

こういったものを無視して工事を進めてしまった場合、工事の中断や、場合によっては罰則の対象となるため、今回の事業に必要な許認可や届出は、必ず事前に確認しておきましょう。

以前お問い合わせいただいた方が、「ほかの行政書士さんは、シェアリングの許可さえあれば問題ないって言われたけれど、違うのかな?」とご質問いただき、私のほうで再度農業委員会事務局に確認したことがありました。
事務局からの回答は、「確かにこの地区では大規模開発行為の許可申請も必要ですね」というものでした。
なぜほかの行政書士に伝えなかったかと尋ねると、「聞かれなかったから」
同業として申し訳ない気持ちですが、実績や経験のない行政書士に依頼をすると、どうしても農地の転用のみに目がいってしまい、他法令の確認がおろそかになるということがあります。十分にご注意ください。

そして更に、「地目の変更登記は出来ない」ことにも注意が必要です。
通常の農地転用では、許可を受けた後に地目を雑種地や宅地に変えます。

しかしシェアリングの場合、あくまで農地は農地のまま、最大限利用する必要があります。つまり、シェアリング申請で許可を取得しても、地目の変更はできない、ということになります。
転用するのは架台の支柱などの接地する部分のみ、それも一時的な転用ですので、事業が完了した際には再び全体を農地として利用することになります。

また、地上権や賃借権の設定登記についても、許可証の交付後すぐにできるわけではなく、通常その登記は工事が完了し、事務局の担当者が現地を確認した後のみです。
ソーラーシェアリングが何かよくわからず、とりあえず普通の転用が出来ないなら……という安易な考えて申請してしまうと、大きな損害につながる可能性がありますので、十分に注意してください。

 

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